スタッフBLOG

新経済対策を閣議決定 省エネ住宅事業など盛り込む

2023年 11月 08日 (水) 15:03

政府は11月2日、日本経済が新たなステージに移行するための経済対策として「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を閣議決定した。この中で、企業・家庭に対する省エネ・再エネ支援、地方活性化など、住宅に関わる支援策などについて触れている。

経済対策は、①物価高から国民を守る、②地方・中堅・中小企業の持続的な賃上げと所得向上、③国内投資促進、④人口減少への対策、⑤安全・安心の確保―を5本の柱として実施。

  • うち、住宅に係る物価高への対応として、

▽高効率給湯器導入促進事業(経済産業省)

▽既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業(同)

▽断熱窓への改修促進など住宅省エネ・省CO2加速化支援事業(環境省)

▽質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(国土交通省)

―などを示した。「住宅省エネ2023キャンペーン」と同様の住宅支援策が講じられる模様。

省エネ住宅への低利融資も

③の国内投資への促進では、GX・DX分野への投資が行われる。住宅関連では、

▽省エネ性能の高い住宅への低利融資(国土交通省)

▽建築物のZEB化・省CO2化普及加速事業(環境省)

▽家庭用蓄電池などの導入支援事業(経済産業省) ―を実施する。

GX予算、窓リノベを2倍に 給湯器は30万戸分を投入

2023年 09月 19日 (火) 17:14

政府はこのほど、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けたGX投資促進策を公表。今後10年間で「くらし関連部門のGX」に60兆円以上を投じる計画を示した。このうち住宅・建築物には14兆円以上の予算が充てられる。来年度は断熱性能に優れた窓改修支援のために、2023年度の2倍に当たる40万戸以上分の予算を計上。高効率給湯器の購入支援では30万戸以上の改修ニーズに対応できる予算を確保するとしている。全体として、今年度実施している「住宅省エネ2023キャンペーン」を上回る予算規模となる見込み。

これに合わせて環境省は2024(令和6)年度「重点施策集」の中で、経済産業省・国土交通省との連携で実施する省エネ・省CO2化促進事業について説明。来年度の概算要求額として、断熱窓改修等(窓リノベ)事業に1170億円、住宅のZEH化促進事業に123億円、建築物のZEB化促進事業に150億円などを計上した。同予算は環境省が推進する「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)の関係予算にも含まれる。

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環境省が推進する「デコ活」

新築戸建ZEH+は補助額100万円

断熱窓改修促進事業(予算額:1170億円)では、既存住宅を対象に窓(ガラス・サッシ)の断熱改修工事の2分の1相当を補助。即効性の高いリフォームとして重点的に予算を投じる。集合住宅の省CO2化促進事業(48億円)では、▽新築低層ZEH-M(3層以下):40万円/戸▽同中層(4・5階)、同高層(6~20階):補助率3分の1以内▽既存集合住宅断熱リフォーム:工事費の3分の1―などを支援する。

戸建住宅ZEH化支援事業(75億円)では、▽新築戸建住宅(注文・建売):55万円/戸 ▽ZEH+戸建住宅:100万円/戸 ▽ZEH+外皮強化:追加25万円 ▽既存戸建住宅断熱リフォーム(全体・部分):補助率3分の1以内―などを支援。さらに低炭素化に資する素材としてCLTの利用を促進するため、ZEH+の仕様に加えてCLTを一定量以上使用かつ蓄電システムを導入、あるいは先進的再エネ熱利用技術を活用する場合に、蓄電システム等に対し2万円/kWhを追加補助する。

一方、高効率給湯器の購入支援については、経産省が概算要求として314億円を計上。ヒートポンプ給湯機、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池を対象に購入費用を補助する。

災害時は「在宅避難を選びたい」が8割以上

2023年 08月 18日 (金) 09:24

全国の20~60代の既婚男女500人を対象に実施した「防災に関する調査(2023年)」の結果を発表した。災害時に、自宅に倒壊や焼損、浸水などの危険性がない場合、そのまま自宅で生活を送る「在宅避難」の意味を「知っている」と回答したのは34.8%だった。「聞いたことはあるが意味はわからない」(29.2%)、「知らない」(32.4%)もそれぞれ約3割となり、まだまだ在宅避難の考え方が認識されていないことがわかる。在宅避難について説明した後は、84.8%がもしもの際は「在宅避難を選びたい」と回答した。

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在宅避難を選びたい理由で、最も多かったのは「プライバシーが保たれる」(57.1%)で、「自分の家が快適」(44.8%)、「普段と同じ暮らしがしたい」(38.9%)、「家族と過ごしたい」(36.3%)と続いた。災害時にも集団生活ではなく、なるべく家族とともに普段通り過ごしたい、という気持ちが読み取れる結果となった。

在宅避難を選びたい人に、安心して在宅避難をするために必要だと思うことを聞いたところ、「飲料水の備蓄(79.7%)」「食料品の備蓄(78.1%)」「日用品の備蓄(66.0%)」と備蓄関連の項目が上位を占めた。また「懐中電灯(57.3%)」「生活用水の確保(飲料水以外)(56.8%)」「通信の確保(53.3%)」とインフラ関連もそれぞれ半数以上となった。

一方、飲料水や食料品の備蓄を実施できている人は半数以下にとどまっている。特にインフラ関連で実施できていない人が多く、「必要だと思っている」割合との差は、「通信の確保」で43.2ポイント、「生活用水の確保(飲料水以外)」で38.6ポイントだった。「耐震性の高い住宅」も、必要と思っている人と実施できている人の差が32.0ポイントと大きい。在宅避難をするには、倒壊の危険性がなく安全であることが重要となるため、備蓄やインフラに加え、自宅の耐震性の確保などが課題となる。

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自然災害以外の原因も含め、停電や通信障害、断水などの経験を聞いたところ、約8割が「停電」を経験しており、1日以上の長時間にわたる停電経験者は24.8%だった。「通信障害」は58.6%、「断水」は51.8%の人が経験していた。これらの供給停止や障害が1日以上続いた際、停電では約3割、通信障害では約半数が「復旧まで、特に何もせず自宅で我慢した」と回答。「復旧まで、別の工夫をしながら自宅で過ごした」人は、電池式のライトやカセットコンロなどを活用したと予想される。断水時には、約2割が給水車を利用していた。